〜東南アジア市場拡大と現地生産強化で勝負〜
日本の大手菓子メーカー「シャトレーゼ」が、インドネシア・ブカシに新たな製造拠点を設立する計画を発表しました。
2025年2月7日、インドネシアの投資・下流化大臣であり、投資調整庁(BKPM)長官でもあるロサン・ルスラニ氏は、シャトレーゼ・ホールディングス(Chateraise Holdings Co., Ltd)のCEO・齊藤貴子氏と会談を行いました。会談にはシャトレーゼ・ゴーベル・インドネシアのコミッショナーであるクリス・カンター氏、ゴーベル・インドネシア創設者のラフマット・ゴーベル氏も同席。
今回の会談の目的は、シャトレーゼのインドネシア市場における事業拡大と新工場建設計画の具体化です。
なぜインドネシア?シャトレーゼの狙いとは
シャトレーゼは、2022年にジャカルタの高級ショッピングモール「スナヤン・シティ」に初のインドネシア店舗をオープン。以来、「日本品質のスイーツをリーズナブルに提供する」というビジネスモデルが支持され、急成長を遂げています。
しかし、これまでの製品供給は日本国内の工場から輸入する形がメインでした。今回の新工場設立によって、現地生産を強化し、コスト削減と供給スピードの向上を実現する狙いがあります。
さらに、インドネシアの消費者ニーズに応えるべく、地元産の原材料(チョコレート、カカオ、サツマイモなど)を活用した製品開発も進める予定です。
「シャトレーゼは、地元の原材料を活用した製造業の発展を通じて、雇用創出と外国直接投資(FDI)の増加に寄与することを期待しています」(ロサン・ルスラニ大臣)
インドネシアの投資環境とシャトレーゼの優位性
インドネシア政府は近年、外国直接投資(FDI)誘致を強化しており、2024年第3四半期には前年同期比17.0%増の155億970万ドルのFDIを記録しています。
参考:JETRO「インドネシアの外国投資状況」 第3四半期の外国投資、前年同期比17.0%増加
こうした状況の中、シャトレーゼがインドネシアに進出するメリットは以下の通りです。
- 東南アジア市場でのブランド確立:すでにシンガポール、台湾、マレーシアで成功
- 現地生産によるコスト削減:輸送コストの削減、商品供給のスピードアップ
- 地元農業との連携:地場産原材料を活用し、インドネシア経済に貢献
「シャトレーゼは、日本で培った『逆転の発想』で東南アジア市場を開拓している。今回の工場建設も、その戦略の一環だ」(Pilot Japan) シャトレーゼの海外戦略
今後の展望:シャトレーゼの東南アジア戦略とは?
シャトレーゼは今後、インドネシア市場でのプレゼンスを一層強化する計画です。
- 工場建設後、流通網を拡大:ジャカルタ以外の都市にも出店を検討
- インドネシア限定商品の開発:地元の食文化に合った新メニューを展開
- EC販売の強化:オンライン販売チャネルの拡充
インドネシア市場は、日本と異なる食文化を持つ一方で、「日本品質のスイーツ」への関心は高まっています。特に、健康志向の高まりや、高級スイーツ市場の拡大が進む中、シャトレーゼの「無添加・ナチュラルスイーツ」戦略が成功する可能性は高いでしょう。
また、シャトレーゼはインドネシア市場だけでなく、東南アジア全域でのさらなる展開を視野に入れています。
まとめ:シャトレーゼの挑戦に注目!
- 日本の大手菓子メーカー「シャトレーゼ」がインドネシア・ブカシに新工場を建設予定
- 現地生産を強化し、東南アジア市場でのプレゼンス拡大を狙う
- 地元産の原材料(カカオ、チョコレート、サツマイモ)を活用し、製品開発を加速
- インドネシアのFDI増加の追い風を受け、投資環境の良さを活かす
- 今後はジャカルタ以外の都市への展開やEC販売強化を進める見込み
シャトレーゼの東南アジア戦略、そしてインドネシア市場での挑戦は、今後も目が離せません。日本発のスイーツブランドが、現地に根付く日はそう遠くないでしょう。
※本記事はこちらの現地記事を引用・翻訳したものです。